東京高等裁判所 昭和36年(ネ)2119号 判決
仮差押によつて保全されるべき債権は、控訴人の主張するように多額にのぼるものではなく、さきに仮処分執行のための保証金として供託された二万円があり、損害賠償債務も賠償義務者は四人で、共同の不法行為者として四人が連帯して責任を負うことになり、控訴人は容易に損害の賠償を受けえられることになる。しかも被控訴人蓮沼は、現在では宅地を処分して他へ移る考えのないことは、証人蓮沼数光の証言によつて認められるし、被控訴人宇佐美はその後夫をなくして生活に困つており、右のような僅かの金銭債権の保全のために、高価な本件宅地を差押えをしてその処分を禁じなければならないほどの必要性も認められない。
(二宮 千種 渡辺一)